OnionShareを使用することにより、簡単にファイルを共有することができます。
OnionShareはTor秘匿サービスの仕組みを使用しています。秘匿サービスを使用することにより、検閲システム等に影響を受けにくく、また、点から点を暗号化された接続で結ぶことにより、第三者にファイルを預けることなく、Torのネットワークを介して、データを転送することができるようになっています。
OnionShareを使用するのに必要なものは次の二点です。
- OnionShare(送信者のみ)
- Tor Browser
上記をダウンロードし、インストールした後は、まずはTor Browserを起動します。
Tor Browserが正常に起動したのを確認した後、OnionShareを立ち上げます。
OnionShareでファイルを選択します。
Start Sharingボタンを押します。(●表示が黄色になります。)
●が緑色になったら表示されている.onionアドレスを読み、受信者に伝えます。(そのままコピーすることもできます。)
受け取り側はTor Browserを開いて提供された.onionアドレスを開きます。
ダウンロードのボタンを押すとダウンロードが開始されます。尚、受信者側で次のような警告が表示されることがあります。(既定で表示される。)
これはファイルが持つ潜在的な危険性(例えば、実行ファイルなど)を警告するものです。ZIPファイルにはそのようなファイルが入っている可能性があるため、この警告が表示されるようになっています。ダウンロードするだけでは危険はありませんが、内容物に含まれるファイルが匿名性を損なわせる可能性があることを警告している文言です。
既定では受信者がダウンロードを完了すると、自動的に公開は停止されます。Stop sharing automaticallyのチェックを外すと自動的に停止されないので、複数の人にダウンロードしてもらう場合は、このチェックを外す必要があります。(ファイルの公開が停止された後に、再公開すると別のアドレスが生成されます。)重要なのは相手がダウンロードを完了するまで、OnionShareの共有は有効にしておく必要があります。
このようにファイルを手軽に転送できますが、特徴として以下が挙げられます。
- 点から点への暗号化接続
- Torに接続できている限り、ポート転送などの設定は必要なし
- サイズの制限なし(システム上のファイルサイズの制限などに依存します。転送速度は遅めになります。)
- Hidden Serviceが備える高い匿名性(ただし、その匿名性は当然.onionアドレスを知らせる手段により変化します。)
恒久的に、特に不特定多数にファイルを提供する場合、Webサーバを使用したHidden Serviceサイトを構築する方がいいですが、手軽にファイルを特定の相手に転送するのには便利かと思います。