VR国勢調査の個人的な考察

バーチャル美少女ねむさん及びMilaさんにより公開された、ソーシャルVR国勢調査2021について興味深かったので特に地域差という点に関していろいろ考察してみたいと思います。

年齢に関して、日本が10代以下の年齢が高くなっていますが、例えばVRChatが存在している米国では13歳以下は使用できないので極端に少なくなっているのはこれは関係しているかもしれません。尚、Under 10 year-oldというのは10歳以下(0~10歳)の解釈になってしまうため、実は日本と乖離しているかもしれないと考えてしまった。13~19の人はどこに入れたのかが気になるところです。その点でこの記録にはばらつきがでてしまっているかもしれない。

現実的な性別についてはこれはある程度予想できた結果ですね。北米では最近は非バイナリな性自認をすることがすることが増えている人が増えてきているため、それを反映したものではないかと思います。ヨーロッパではその許容性に関しては国によって差があるため、たまたま回答者がより許容率が低く、「その他」を選びにくい人が多い国だったのか、サンプル数のなかにそういった人がいなかったのか、はたまた、設問の理解に差があったのかはわかりませんが、この辺り、北米での突出した数値は興味深いです。

実名であるかどうかに関しては、これは北米が著しく大きくなるかな、とも思うところもあったのですが、ヨーロッパとほとんど同じ、という結果のようです。こちらに関しては日本においての大きな差は予想通り、という感じです。

この項目で注目したいのが物理現実で「心と身体の性別の不一致を考えている人の割合」です。この項目においてはヨーロッパにおいて北米に次ぐ割合を出しているため、前述の性別の設問と少し乖離があるかもしれません。(尚、これは「物理生物」を「生物学的性別」との混同もあったかもしれない。)

トランスジェンダーを自認する方の数が多ければそういった方がどのようなアバターを使っているか、という調査も興味深いものがあると思うのですが、恐らくそれを行うためにはかなり母数を増やさないといけないかもしれません。

この設問では「ソーシャルVRで恋をする時に、相手の生物学的な性別は重要か」と訊いていますが、ヨーロッパで特筆して大きくなっているが興味深いところです。尚、同性愛の許容性に関してはヨーロッパでは決して低くはないのですが、もちろん、回答者がそうであるかどうかに関しては別の話であるので、回答者の差でこの差が出てきたものと思われます。

VRでの恋人が物理世界でもそうであるかに関して北米が高めになっていますが、これは北米では物理世界とVR世界の差が近いという部分もあるのでしょうか。実名率などを考えるとそういう差が出てきているのかもしれません。(なので、北米の場合、VR→リアル、というよりはリアル→VRの流れでそういう回答になっているのかもしれません。これは地理分散的や安全性等を考えると、VR→リアルは障壁が大きいということもあり、そう考える方がより自然ともいえます。)そういう意味ではFacebook改めMetaが描く、現実世界の延長としてのメタバースというのは北米圏では刺さる人が多いのかもしれず、この点では北米での特殊性があるのかもしれません。(反対に日本の回答者はVR→リアルの方が多いのかもしれません。)

周りでも夫婦や恋人同士でオンラインゲームという人も多く、反対にオンラインゲームで知り合った、というのはあまり聞かない感じです。

この辺りは今後調査がなされると面白い点でありそうです。

尚、上記に関してはプレイ時間と恋の関係を地域別に相関するとある程度推測できるかもしれません。

即ち、リアル→VRが多い場合、短いプレイ時間で恋をしたことがある、という数が増えるのではないか、という仮定ができそうです。(残念ながら地域に分けられてないデータですが……。)

ということでこのレポートを読んで興味深く感じた部分に関して考察してみました。

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作成者: Hideki Saito

ゲーム業界に15年ほど携わり、現在は米国任天堂においてローカライゼーションエンジニアと翻訳技術の開発・保守などに携わる。