OOXML BRMの結果

29日に投票があったOOXMLのBallot Resolution Meeting(BRM)ですが、かなりの泥沼が展開されたようです。

まず、BRMの目的というのは提議された問題(この場合は昨年の9月の投票時に提議されたもの)に関する規格の修正決議を行う場であり、通常はこれはそれぞれの問題点を吟味し、それらに対して投票が行われます。

ところが、1100あったコメントのうち、20の承認投票が行われなかったそうです。他には200程度の書式(コンマの欠落などの文法上の修正)を採り入れた以外は議論はBRMのプロセス自体をどのように簡素化するか、という議論になり、そして、水曜日に残りの問題(約900件)を全て「解決済み」にする投票決議が提案されます。(つまりソフトのテストをすると考えて、900件のバグを見ることなしに全て「解決済み」にするようなものです。)金曜日に各国より提出された、最終的な投票の結果は以下の通り。(括弧内はP承認国以外を含んだ数値)

承認:4(6)

非承認:4(4)

投票を拒否:2(4)

棄権:15(18)

実は、これについては二つの種類のニュースが聞かれます。一つはOOXMLが「OOXMLの98.4%の提案事項が3:2の過半数で可決された」、もう一つは「OOXMLの提案事項は多数の参加国により反対された」というニュースです。これはどちらのニュースも正しいのですが、どういうことかというと、JTC-1の規則では、本来はP国(上記の括弧内ではないもの)の投票のみをカウントする、ということになっているのですが、議長であるAlex Brown氏が事前にP国以外の居合わせている国の投票もカウントするという形にしていたためです。(ちなみにこれ自体は規則違反ではありません。)また、承認と非承認の投票のみをカウントするという規則に基づき、これにより、承認が6:4、つまり3:2により可決された、ということになるわけです。

つまり、数値上は可決ということになっているものの、事実上、反対している国が多い、という非常に変な状況になっているのが現在の状況であるというわけです。

じゃあ、現状どうなのかということになるわけですが、30日後に最終投票が完了するのですが、その時点でどのようになるかは見通しは明るくありません。

3月3日追記

いくつか補足・訂正を。(村田さん、コメントありがとうございます。)

  • 30日間で最終投票が完了するのではなく、30日の間に各国が9月に提示した投票を変更することができる。
  • 投票されたのは個別の修正のデフォルト(既定)意見である。(ISO/IEC規格自体への投票ではない。その上で個々の修正に対し承認・非承認意見を提出している国もある。)

ということで、これはISO/IEC規格が可決・否決されたというものではありません。誤解を招く記事になってしまい失礼いたしました。

ただ、言い訳をするわけではないですが、このプロセス自体がクローズドな性質を持ち、議事録でさえ公開されていないため、かなり混乱した情報を元に書いたものであることはお知らせしておきます。

“OOXML BRMの結果” への2件の返信

  1. 認識がぜんぜん間違ってます。今回議論されたのは個別の修正であって、
    全体をISO/IEC規格として承認するかどうかではありません。紙投票が
    対象としたのは、個々の修正です。そして、ここで書かれている内訳は、
    各国が個々の修正に関するデフォルト意見でしかありません。ある国は、
    デフォルトは非承認ですが、ほとんどの個別修正について承認・非承認
    を表明しています。

  2. Andyの記事をもとに書いているようですが、あれは信用がおけません。
    ギリシャ代表団の記事(http://elot.ece.ntua.gr/te48/ooxml/brm-clarifications)
    では、Andyは”overinterprets the paper ballot”だとされています。実に
    礼節をわきまえた言い方だと私は思います。

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